"Waterfowl -水鳥-"


Statement

 

10月~3月頃迄の間、約30~50種類の水鳥約1万5000羽程度が中国北部やロシアの各地から、遙か遠い海を越えて琵琶湖岸にやってくる。
彼らは短い夏の間、自分達の居住地にて食べ物を捕獲し子育てをする。
そして、湖や川が氷で閉ざされ食料が取れなくなる前に琵琶湖にやってくる。

その理由は、琵琶湖が結氷することも雪に埋もれることも少なく、水草等の捕食物が豊富で、近隣の農耕地での食料も期待でき、大きな湖であるからだという。

しかし、限りなく長い渡りの途中に、捕食者に狙われ命を落とす者、移動の途中で餌を確保出来なく脱落する者、気象条件に恵まれずコースを外れざるをえなくなる者等、数々の試練を乗り越え琵琶湖に飛来する。
そして、また時が来ると同じ危険を冒し、故郷へと帰って行くのである。

水鳥たちのその儚くも力強い性質と、山と湖に囲まれた湖西ならではの雪の性質に儚さという共通点を感じ撮影を試みた。

 

 "Fine Art of Nature"